犬にとって水を飲むことはどのくらい重要?
水は、犬の命や健康に欠かせないものです。毎日何気なく愛犬にあげている水ですが、犬にとって水を飲むことはなぜ重要なのか、一日に摂取すべき理想の水の量、水を飲まないときの症状や水を飲んでもらうための工夫などをご紹介します。
犬にとって水を飲むことが大切な理由
水は、犬の体重のおよそ60~80%を占めています。体内の水分は血液やリンパ液・細胞の中に存在していて、この水分が10%~20%失われると生命に関わると言われているくらい、水は犬にとって欠かせません。
呼吸や排便のたびに体内の水分は失われるので、食事や水を飲むことで水分を体内に補給し、その繰り返しで健康を維持しています。下痢・嘔吐などがあった際には、人間と同じように水分をいつもより多く摂取します。
犬の体内の水分が不足すると、消化や呼吸、体温調整などさまざまな機能に異常が起こることも考えられます。
犬に必要な1日の水分摂取量
犬が1日に必要とする水分量の目安を体重別にまとめてみました。
当然、個体差もありますし、運動量や尿を作る腎臓の働き、湿度、温度などによっても変わってきます。
毎日の食事からも水分を摂取しています。犬用のドライフードに含まれる水分量はおよそ10%、ウエットフードはおよそ75%程度といわれています。
普段の食事の内容や運動量などをチェックしながら、適正な量の水分を摂取できているか確認してみましょう。
<体重別:犬が1日に必要な水分量目安(ml、フードから摂る水分を含む)>
2kg 190
3kg 260
4kg 320
5kg 370
6kg 430
7kg 480
8kg 530
9kg 580
10kg 630
15kg 850
20kg 1060
25kg 1250
30kg 1440
35kg 1650
40kg 1780
※環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」平成21年10月発行版より
犬が水を飲まないときは体に異変が起きている可能性も
犬が水を飲んでくれないと、「病気だろうか」「病院に行くべきだろうか」と心配になるもの。食事から十分な水分が摂取できている場合もありますが、犬の体に異変が起きているサインの場合もあるので見逃さないようにしましょう。
・寒い季節
水を飲む量は、気温の変化によっても変わってきます。人間もそうですが、夏場は自然と水を飲む量が増えますが、寒い季節には気温低下によって代謝が落ちることから、水を飲む量が減る場合もあります。
寒い季節への移り変わりの時期に水を飲まなくなった場合は、気温低下が原因の可能性が考えられます。
・老犬になったとき
犬も年齢を重ねるごとに体の機能が衰えていきます。代謝が落ちて水分を欲しなくなる、喉の乾きに鈍感になるなどの理由から水を飲む量が少なくなる傾向にあります。
老化とともに体内に保持する水分量も少なくなるため、脱水症状には注意が必要です。
老犬が水を飲まなくなったと感じた際は、水を飲みやすい環境をつくるための工夫をしましょう。
・体調が悪い・痛みがある
吐き気や不快感など体調不良の場合、骨折や関節炎、外傷などで痛みがある場合は水を飲まなくなります。夏の暑い時期には、夏バテや熱中症などで脱水症状となる危険性も。異常を感じたらできるだけ速やかに病院を受診しましょう。
犬にもっと水を飲んでもらいたい!おすすめの方法3つ
1.フードに混ぜる
最も簡単な方法は、食事から摂る水分を増やすこと。いつものドライフードをぬるま湯でふやかしてみる、野菜スープなどに混ぜて与えるなどがおすすめです。
また、ドライフードの水分量は約10%ですが、ウエットフードの水分量は75%程度。水分の多いウエットフードに切り替える、ドライフードとウエットフード混ぜて与えてみるなどの方法もあります。
2.水飲み場を増やす
廊下や玄関、屋外など、いつもと違う場所に水を置くと飲んでくれることが多いようです。水飲み場をいくつか用意してみましょう。
流れている水であれば喜んで飲んでくれる、という声もあります。循環して湧き水のように水が流れる自動給水器を用意してあげるのもおすすめの方法です。
3.水温を変えてみる
冷たい水が好き、ぬるめの水が好きなど犬によって好みがあるので、水の温度を変えると飲んでくれることも。氷を入れて冷たくする、一度沸騰させてぬるま湯にするなど、水温を変えて様子を観察してみるのも一つです。
水は、犬の命と健康に欠かせないもの。日頃から犬の様子や好みを観察して、いつでも好きなだけ水を飲めるよう工夫してあげられるといいですね。